統計的推論(検定)のはなし⑤ =棄却域の考え方を理解する=
どうもわださんです。
今日は前回からの続きで、p値の算出の手順を見ていきたいのですが、、、少しお詫びと修正のお付き合いください。
お詫びと修正
回答の手順を下記の通り変更させてください。
変更する理由ですが、どちらでやっても結局同じことをやっていることになるのですが、QC検定のテキストでは変更後の考え方で進んでいるので、そちらに合わせるとともに、理解もしやすいというのが理由です。
では、気を取り直してもう少しお付き合いいただければと幸いです。
ここまでのおさらい
まずは問題のおさらいです。
この問題に対して、
と、ここまでが終わりました。
(少し蛇足ですが、標準正規分布の検定統計量に使う記号はZ、Kp、u0とかいろいろありますが、ここではZとしています。くれぐれも記号に惑わられないでください)
↓↓前回の記事はこちらをご覧ください↓↓
棄却域の考え方を理解する。
有意水準から棄却域を設定します。
( 有意水準って何?という方はこちら→統計的推論(検定)のはなしー有意水準とは何だろう? )
考え方は対立仮説の時と同じで3通りで分かれます。
① H₁:μ₀>μ₁ :母平均μ₀よりサンプルの母平均μ₁が小さいと言いたいとき。
下図は標準正規分布のグラフです。サンプルが小さくなったと言いたいときは、今回求めたZが赤色の範囲にいるかを確認します。
② H₁:μ₀≠μ₁ :母平均μ₀とサンプルの母平均μ₁が同じではないと言いたいとき。
同じではないということは、小さくなっても良いし、大きくなっていたも良いということになります。
また、有意水準をαとした場合は、「α%で起こるようなことはいつもと違うことが起きていると考える」という意味になるのですが、逆に言うと「1-αの範囲はいつもと同じことが発生している(ばらつきの範囲内)と考える」ということができます。
よって、「同じではない」といいたいときは下記のような範囲を考えることになります。
③ H₁:μ₀<μ₁ :母平均μ₀よりサンプルの母平均μ₁が大きいと言いたいとき。
最後に大きくなったと言いたい場合は、Zが下記の範囲にはいるかを確認することになります。
今回の場合を考える。
では今回の問題では、仮説を下記の通り設定していますので、
求めたZが下記の赤色の範囲に入ればいつもと違うと考えて、入らなければいつもと同じと考えることになります。
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