【独学QC検定】正規分布:標準正規分布表の使い方
どうもわださんです。前回は工程能力指数について説明しました。
工程能力指数を使うと製造工程が安定しているか測れることが分かりましたが、なぜ工程能力指数で製造工程の安定の度合いを測れるのでしょうか?これを理解するには正規分布を理解する必要があります。正規分布を理解すれば、データを統計的にとらえることができます。
ということで、今回のテーマは正規分布です。
正規分布って何?
1.正規分布の形
たくさんのデータを取得してヒストグラム(度数分布表)を描いたときに下図のように左右対称の山のような形になる分布のことを正規分布と呼びます。
2.標準正規分布表を使って確率を求めることができる。
正規分布になるデータの場合については、「平均値」と「標準偏差」の2つがわかれば、標準正規分布表を使って確率を求めることができます。
①.Kpの求め方
標準正規分布表の見方を解説する前に、表の中に出てくるKpという謎の記号について解決しておきましょう。あるデータxに対するKpの値は次の式で求めることができます。
具体例で見てみましょう。直径がΦ10mmの軸を複数本、製作しました。製作した軸の直径を全て測定して平均値と標準偏差を求めました。その時の結果は平均値:Φ10.00mm、標準偏差:0.05mmとなりました。
この時、Φ10.10mmより大きくなる確率を知りたい時にKpの値を求めるには、
と計算することができます。
②.標準正規分布表を使って確率を確認する。
では、求めたKp=2.00を使って標準正規分布表をどのように見れば良いのかを解説します。
標準正規分布の表(下表)において、赤色部分がKpの小数点第1位までを表しています。
そして、黄色い部分がKpの小数点第2位を表しています。
よって、先ほどのKp=2.00の場合は、Kp=2.00の小数点第1位までは2.0、小数点2位は0なので、その交点のマスを確認して、確率P=0.0228となることがわかりました。
③.確率Pの意味
確率P=0.0228つまり2.28%となることがわかりました。
これは下図における斜線部分の面積を表していて、この面積が確率の大きさを表しています。
よって、下図より、Kpより大きくなる部分の確率が2.28%なので、言い換えると、Φ10.10mmを超える部品が発生する確率が、2.28%であると考えることができます。
以上、今回はここまでにしたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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