【独学QC検定】二項分布のはなし その2=例題から二項分布の式を導出する=

どうもわださんです。
今日は前回説明した
【独学QC検定】二項分布のはなし その1=二項分布の式の各項の解説します=
とは視点を変えて二項分布の式を導出していきたいと思います。
前回と同じ例題を使って、二項分布の確率の式の導出をすることで、
さらに、二項分布のイメージをつかんでもらいたいと思います。
例題は以下の通りです。

<例題>コインを5回投げた時に表が3回出る確率は?

では最後までお付き合いいただければ幸いです。

1.「5回中3回表が出る組合せ」を考える。

5回中3回表が出るといいますが、例えば
「表、表、表、裏、裏」
っていうパターンもあれば、
「裏、裏、表、表、表」
っていうパターンも、5回中3回が表ですよね。
という感じで、5回中3回表と言っても色々なパターン(組合せ)があります。
では、実際にすべてのパターンを書き出してみると以下の10つの組合せになります。

これは前回触れた組合せ
5C3 = 5! ÷ 3! ÷(5-3)! = 10通り
と一致していますね。

2. 組合せ1が発生する確率を求めてみる。

次にそれぞれの組み合わせにおける発生する確率を求めてみたいと思います。
まずは、1つ目の組合せについてみていきたいと思います。

いま、『表』が出る確率を『p』とします。
この時、コインは『表』と『裏』しかないので、
『裏』が出る確率は『1-p』となりますね。


といことで、組合せ1の確率は下記ののようになって、

すべての確率をかけ合わせれば組合せ1が発生する確率になるので
p × p × p ×(1-p) ×(1-p) = (1-p)

となります。

3. 残りの組合せの発生する確率を計算してみる。

次は組合せ2の確率を確認してみましょう。

組合せ2の確率 = p × p × (1-p) × p ×(1-p) = 

ここで、『組合せ1』と『組合せ2』の確率が求まったわけですが、
両方とも、同じ (1-p) となっていることに気づきましたか?

実は残りの8つの組合せについても同様に計算してもらえればわかりますが、
10組の各組合せの発生する確率は 、すべて

(1-p)

となります。

4. いよいよ「5回中3回表が出る確率」を求める。

では、いよいよフィナーレです。「5回中3回表が出る確率」を求めましょう。
「5回中3回表が出る確率」の組合せは10組あって、
それぞれの確率が (1-p) で計算できることがわかっています。
「5回中3回表が出る確率」は、10組すべての確率を足し合わせた合計となります。
よって

P(r)=
p(1-p) + p(1-p) + p(1-p) + p(1-p) + p(1-p)
+ p(1-p) + p(1-p) + p(1-p) + p(1-p) + p(1-p)
=10 p(1-p)

となります。

5.P(r)=10・p3・(1-p)2 と P(r)=nCr・pr・(1-p)n-r とを比較する。

最後に求めた P(r)=10・p3・(1-p)2
二項分布の式 P(r)=nCr・pr・(1-p)n-r
を比較してみましょう。

まず、最初の「10」が表しているのは、
「5回中3回表が出るときの組合せの数」であり、
これは、高校数学で学んだ通り「 nCr 」で計算することができます。

「p3」 は
「表でる確率がpであるときに、表が3回発生した時の確率」
を表していて、これを一般的に書き直して
「確率pで発生する事象がr回発生した時の確率」と言い換えると
「pr」と表現できます。

「(1-p)2」は
「表がでる確率がpのとき、反対の裏の出る確率は1-pとなり、
 5回中3回表がでるので、裏は5ー3=2回でるので、
 2回裏が出る確率は、「(1-p)」となり、これを一般的に書き直すと、
「確率pで発生する事象の逆の事象の確率は1-pとなり、
 n回中r回、確率pとなる事象が発生するなら
 逆の事象が発生する回数はn-r回であり、
 n-r回、逆の事象が発生する確率は
 (1-p)n-rとなります。

よって、今回求めた「5回中3回表が出る確率  P(r)=10・p3・(1-p)2」は
「2項分布の式 P(r)=nCr・pr・(1-p)n-r 」でお求められることがわかりました。

以上で、二項分布の導出をイメージしていただけたでしょうか?
最期まで読んでいただきありがとうございました。

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