【独学QC検定】二項分布のはなし その3=二項分布の使い方=
どうもわださんです。
前回まで『二項分布の式の説明』や『二項分布の式の導出』なんかをやあってきましたが、
今回は、『二項分布ってどうやって使うの?』について解説してみたいと思います。
1⃣ まずは二項分布の式をおさらい
2項分布の式は次の通りです。
ここで、
n:試行の総回数
r:目的の事象が発生する回数
p:目的の事象が発生する確率
です。
2⃣ 二項分布の式を使ってみる。
使用例①:
『コインを5回投げて3回表が出る確率』
前回までの例題『コインを5回投げて3回表が出る確率』についての確率を計算してみましょう。
- 『n:試行の総回数』は5回なので、n=5
- 『r:目的の事象が発生する回数』は3回なので、r=3
- 『r:目的の事象が発生する確率』は、1回の試行(ここではコインを投げること)ごとの
コインの表が出る確率は0.5なので、p=0.5
これらを2項分布の式に代入すると、
P(r)=5C3・0.53・(1-0.5)5-3=0.3125
よって、大体31%の確率で発生することがわかります。
使用例②:
『52枚のトランプから5回カードを引いて、そのうち3回がハートはである確率。』
ただし、1回引いたトランプは毎回元に戻してから次のカードを引きます。
早速問題を解いていくのですが、
今回の例には、なぞの但し書きが
『ただし、 1回引いたトランプは毎回元に戻してから次のカードを引きます。 』
がありますが、これについては後ほど説明しますので、このまま進みます。
- 『n:試行の総回数』は5回なので、n=5
- 『r:目的の事象が発生する回数』は3回なので、r=3
- 『r:目的の事象が発生する確率』は、
1回の試行(ここではカードを引くこと)ごとのハートが出る確率で、
トランプはハート、スペード、ダイヤ、クローバーが各13枚ずつあって合計52枚なので、
各試行ごとのハートがでる確率は13÷52=0.25なので、p=0.25
これらを2項分布の式に代入すると、
P(r)=5C3・0.253・(1-0.25)5-3 ≒ 0.088
よって、大体9%の確率で発生することがわかります。
3⃣ なぜ、カードを毎回戻すのか?
先ほどスルーした
『ただし、 1回引いたトランプは毎回元に戻してから次のカードを引きます。 』
について説明します。
カードを毎回戻さないとどうなるかを見ていきましょう。
- 1回目のカードを引くときの確率は、13÷52=0.25。
- 2回目は、すでにカードが引かれているからカードの総枚数は51枚です。
また、1回目にハートがでた場合はハートの残り枚数は13-1=12枚なので、
2回目にハート引く確率は、12÷51≒0.235となり1回目と2回目の確率が
変わってしまい困ったことになってしまいます。 - そのため、毎回引いたカードを戻す必要があるわけです。
このように、毎回カードを戻すような試行の方法を復元抽出といい、
1回目の試行が2回目の確率に影響しないような試行方法をベルヌーイ試行といいます。
また、毎回カードを戻さないような方法を非復元抽出といい、
この場合は、二項分布ではなく超幾何分布という分布を使って確率を計算することになります。
今回はここまでにしたいと思います。
二項分布の使い方の助けになったら幸いです。
最後まで読んでもらいありがとうございました。
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