OC曲線③ 二項分布からOC曲線を作る方法を解説します。
どうもわださんです。
今日は二項分布からOC曲線を作る方法を解説します。
1.ロットが合格する確率を計算する
ロットの合格する確率の計算方法を例題で見ていきましょう。
<例題>
検査数量100個、部品の不適合品率1%の時に、
検査サンプルの中の不適合品が0個になる確率は何%でしょうか?
この問題は二項分布の確率として計算することができます。
二項分布の確率を求める式はこれです。
※ 二項分布が良く分からないって人は、こちらを参考に。
【独学QC検定】二項分布のはなし その2=例題から二項分布の式を導出する=
この式に今回の問題をはめてみましょう。
『n:試行の総回数』は
『検査数量』に相当しますので、
n=100
『r:目的の事象が発生する回数』は、
『検査サンプルの中の不適合品個数』と考えて
r=0
『p:目的の事象が発生する確率』は
『部品の不適合品率』を使って
p=0.01
となります。
では、これらの値を先ほどの式に代入すると、
P(r)
=nCr・pr・(1-p)(n-r)
= 100C0・0.010・(1-0.01)(100-0)
= 1・1・0.99100
=0.366(=36.6%)
となります。
2.合格判定個数について考える
では次に、一旦話を変えて、合格判定個数について考えてみましょう。
合格判定個数0個という場合は、
サンプルの中の不適合品の個数が0個の時にロットが合格するということで、
これは先ほどのように計算すればロットが合格する確率を求めることができます。
では、合格判定個数が1個のときはどのように考えればよいでしょう?
この場合は、検査サンプルの中の不適合品の個数が1個までは合格にするということなので、
不適合品個数が0個の時と1個の時はにロットが合格になります。
つまり、合格判定個数が1個の時にロットが合格する確率とは
サンプル中の不適合品の個数が0個になる確率と、1個になる確率を求めて
足し算することで計算することができます。
3.合格判定個数1個の時にロットが合格する確率を計算する。
実際に合格判定個数が1個の時のロットが合格する確率を求めて見ましょう。
検査数量と部品の不適合品率は先ほど同じ100個、1%とします。
0個の時の確率は先ほど求めたので、1個の時の確率を求めて見ます。
先ほどはr=0としましたがr=1として計算すればOKです。
P(r)
=nCr・pr・(1-p)(n-r)
= 100C1・0.011・(1-0.01)(100-1)
= 100・0.01・0.99100
=0.370(=37.0%)
合格判定個数が1個の時にロットが合格する確率は
最後にこの2つの確率を足し算して、
合格判定個数が1個の時にロットが合格する確率
=『100個のサンプル中に不適合品が0個ある確率』+『 100個のサンプル中に不適合品が1個ある確率 』
= 36.6% + 37.0%
= 73.6%
となります。
4.OC曲線の作り方
先ほどは、部品の不適合品率が1%時を計算しましたが、
不適合品率0%から順番に計算すればOC曲線の出来上がりです。
ということで本日はここまでにしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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